女の子として過ごした時間も。

ミアちゃんというともだちができたことも。

大切に守りたい。

ルウのひとつひとつの気持ちが、僕の毎日を染めていたことも。

すき。

ルウを、すきだと想った気持ちも。

全部。

夢だった。

晩ご飯を作る音のそばで。

笑いながら。

ちょっと照れながら。

ルウは、僕の話を聞いてくれた。

「はい、できた!ルウ特製。クリームシチュー!」

どんなふうに感じただろう。

僕の夢。

ルウは、その中で。

どんなふうに生きたのだろう。

「・・・おいしい・・・」

不安なままに僕はルウを見ていたのに。

口の中でとろける味は、僕らを笑顔にさせてくれた。

「良かった。ココ、喜んでくれた」

ルウ、笑ってる。

「また作ってやるよ。クリームシチュー」

唯一、ルウが覚えたメニュー。

「おかえり。ココ」

ただいま。

僕は、ルウが笑ってくれるだけで、しあわせだ。

ありがとう。

だいすきな、ルウ。