ミアちゃんは真っ青な顔で、僕を病院で迎えた。

「心くん・・・。さっきの声、やっぱり・・・。男の子に戻ったのね」

僕が悪いんだ。

ルウを困らせて、勝手に家を飛び出して。

「心くん。ねぇ、ルウ・・・助からないって・・・」

そんなはず・・・ないじゃないか。

だって、僕ら、さっきまで一緒に居た。

新しい場所で頑張るって、伝えたい。

「ミアちゃん、嘘だろ・・・」

もう一度、ともだちに戻りたい。

「赤信号の横断歩道を渡ったらしいの。なにかを追いかけるみたいだったって、見てた人が・・・」

きっと、僕だ・・・。

僕を、探してくれていたんだ。

「僕のせいだ。僕の・・・どうしよ・・・僕が、僕が・・・。ミアちゃん、どうしよう・・・」

僕が居なければ。

最初から、居なければ・・・。

「心くん。だいじょうぶよ、あなたのせいじゃない。ごめんね、私も、心くんが悩んでたのに、なにもできなかったから」

ミアちゃんが、僕を支えてくれてる。

「ルウのそばに居てあげて」

頼りない足取りだっただろう。

涙で情けない瞳だっただろう。

許されたわずかな道を、僕は急いだ。