いつの間に寝てしまったのだろう。

きっと、ここは夢の中。

静かだなぁ。

僕の鼓動だけが聞こえる。

美容室のシャンプーの香り。

ルウだ。

きっと、ルウが近くに居るんだ。

手伝わなきゃ。

「ルウ」

ルウの指先から髪が流れていく。

シザーの音が心地良い。

「どうしたの、ココ。ほら、おいで」

手を伸ばそう。

でも・・・。

歩いても、ルウのそばに行けないんだ。

待ってよ・・・。

ルウ。

ルウ・・・。

「ココ・・・?大丈夫?」

あっ・・・。

・・・え?

ルウが、僕の手を握ってくれていた。

「ルウ・・・?」

「あ、ごめん」

手から、ルウが離れてく。

「ルウ、どうして・・・」

どうしよ。

ちゃんと話せてるかな。

「ごめん。なんか眠れなくてさ。気付いたら、ココのとこに来てた」

思ってはいけないことかもしれないけれど。

僕・・・嬉しい。

「ごめんな、オレ。ほんとに申し訳なくて。ココに手、出しちゃったこと、反省してて・・・」

いろいろ考えたいって、そのことだったのかな。

「大切なともだちなんだ。ココ、オレのともだちなのに・・・」

僕は、ルウを。

悲しませたんだ。

ルウ、泣いてるの?