ルウにこれ以上、迷惑をかけないように。

僕は、今まで通り、お仕事することを選んだ。

お客さまは、優しく迎えてくださって、僕は自分にできることを続けた。

いろいろ考えたいというルウの心が見えなくて。

どうして女の子になってしまったのか。

そのことも話せないまま。

時間だけが流れていく。

あれから、ルウと仕事以外の話をすることがほとんどなくなった。

家に帰っても、生活を共にするだけ。

「ルウ、おやすみなさい」

「ん。おやすみ、ココ」

心を休める場所は、もう、ルウのベッドじゃない。

おっきくて、あったかい場所だったな。

僕の部屋のベッドは、なんだか、心が痛む。

寒くても、もう、ルウは、ぎゅってしてくれないんだ。

やっぱり、すきになることは、ダメだったんだ。

嫌だよな。

ルウ、嫌だったんだろうな。

男・・・だもん。

僕も、ルウも。

「ルウには・・・僕はいらない」

辿り着いた答えが、僕を苦しめる。

僕は、もう、ルウが居ないと生きていけないのに。

眠れない夜は、ただ今夜も僕に、泣くことだけを許す。