リビングから玄関へ、優しい光が射し込んでいる。

「ただいまぁ」

ルウ、まだ起きてるのかな。

「ルウ?」

あ、ソファーで毛布にくるまって寝てる。

待ってくれてたんだ・・・。

お酒、いつもよりたくさん。

「寂しくさせちゃったな・・・」

大きなルウの手を、僕もそっと守りたい。

「・・・ココ・・・?」

起こしちゃった。

「おかえり。楽しかった?」

うん。

どうしてかな。

こんなにルウがそばに居てくれることが嬉しくて、声が出ないよ。

「ん?ココ、どうした?」

今なら。

今、伝えなきゃ。

ほんとのこと、話せるかな。

「ルウ。僕、店に忘れ物しちゃった。ちょっと行ってくるね」

伝えるための。

準備をするんだ。