「あ・・・声が出ない・・・あー」

案の定、僕はインフルエンザになった。

声、男の子っぽくなって、この方がしっくりくるけど。

「ココ、じゃあ、行ってくるよ」

「あ、ルウ・・・」

「ごめんなー。オレはカットできるから店、ひとりでも開けれるんだわ」

・・・ぐすんっ。

僕の一週間、返してよー。

「でも、オレ、言ったよな」

きっと。

きっと、あの言葉。

ルウが、僕の手を包みながら、伝えてくれたこと。

「ココの優しい気持ちは、オレには足りないものだから。だから、ココなら大丈夫だ」

僕は、変わることができるか分からないけど。

僕を、見つめてくれる人に出会えたんだ。

ルウが、居てくれるんだ。

「あー、もう!仕事行きたくなくなるだろー。ココ、可愛すぎる!」

うっ・・・

・・・え?

「重いよ!ルウ!」

「あー、ココの香り」

ほんとは。

僕も、ルウの仕草も言葉も、抱きしめたい。

・・・僕がもし、女の子だったら。

ルウに恋してたのかな。