指の隙間を流れる、あたたかい音と。

生まれていく泡たちは、優しい香り。

癒されるなぁ〜。

「はぁ〜。ココちゃん、それ、気持ち良いわぁ〜」

僕も、お客さまに褒めて頂けると、嬉しいです。

「いかがですか?ココのシャンプー、ほんとに上手でしょう」

わっ。

あっちでカットしてたんじゃなかったの?

「やだもう、ルウくんの声、ココちゃんのシャンプーと一緒に聞くと、ロマンチックだわぁ」

あれ?

ここは、美容室ですよね・・・。

「ココの指、似てるんだよな。あいつに」

でも、時々、格好いい君は。

ルウは、そんなふうに、思い出してくれる。

僕のことを。