「あの・・・。ごめんなさい、今日は定休日なんです」

え?

傘、持ってない・・・。

服、濡れてしまってる!

「あ、ごめんなさい」

可愛い人。

どこかで会ったような気がするのはどうしてだろう。

「この間、弟・・・。圭がお世話になったみたいで」

「あぁ。もしかして、圭くんのお姉さん?」

「はいっ、そうです。こんにちは」

だから、初めて会った感じがしなかったんだ。

「だいじょうぶ?服、そのままだと大変だね・・・」

僕に今、できることって・・・。

「良かったら、少し休んでく?」

あったかいご飯、一緒に食べても・・・。

ルウ、許してくれたらいいな。

「はい、じゃあ、狭いけど、どうぞ」

僕は傘の下に、まだ名前も知らない彼女を入れて、歩き出した。