そんな事ばかりを考えていたら、あっという間に花火大会当日になっていた。


待ち合わせ時間とかは先輩が美咲さんと考えてくれたみたいだった。


あたしは母親に着付けをしてもらい、髪の毛も手先が器用な母親が綺麗な編みこみを左右に作ってコンパクトなまとめ髪を作ってくれた。



「はい。これでいい?」


「シンプルすぎないかな?」


「浴衣はこれくらいでいいの!」



そう言われて、部屋に戻り姿見の鏡でチェックした。


あれだけ古く見えた巾着もなんだかしっくりくる。


浴衣って不思議。



「行ってきます」



あたしはそう言って、出発し待ち合わせ場所を目指した。