「もぉぉ!けーすけぇ~…」



高校時代の事は隠しておきたかったのかな?


美咲さんは耳まで赤くして、テーブルに突っ伏した。



「やっぱね。なんとなく元ギャルなんじゃないかって思ってたよ」


「今は清楚系だけどね。たまにすっごく髪色明るくしちゃったりピアス増やしちゃうのはギャルの名残?」



友人は笑いながら美咲さんをからかう。


そうか、この人たちは知らないんだ。


髪を明るくしたり、新たにピアスを開けてしまう理由を。


彼女の傷ついたSOSだと言う事を。



テーブルに突っ伏している彼女の頭にポンと手を置き、俺はこう言った。



「でも、つんちゃんはつんちゃんだもんね」



彼女はやっと顔を上げた。


口を尖がらせて彼女はこう言った。



「帰り、説教な。お前」


「はーい」



やっと、俺の知ってる美咲さんに会えた。


初めて見る余裕のない美咲さんも、いつもの言葉遣いの汚い美咲さんも俺にはその存在が嬉しくて思わず頬が緩んでしまった。