大学の友人の中に、ぽつんといる俺。


美咲さんの口調が二人の時とは違うことに気が付いた。


基本的な口調は同じなんだけど、言葉が荒れないのだ。


なんだか、少しだけ気を付けているように見えた。


これが素なのか、俺といるときが素なのか…。


きっと、彼女なりの壁があるのだろう。



「高校生の頃のつぐみって、どんな感じ？やっぱりモテてた？」


「ちょっと…」


「…怖かったです」


「けーすけ！」



高校の頃の話をしていないのだろう。


俺の答えに友人たちは驚き、美咲さんは少し顔を赤くして怒っていた。



「え？怖かったって？」


「なんか、目立ってたんですけど…1年の俺から見たら…怖かったです」


「ヤンキーかよ」



翔さんがヒヒヒと笑いながら美咲さんをからかう。


美咲さんの顔は、また赤くなった。



「ヤンキーじゃないよ！けーすけ、これ、どう処理すんの！？」



必死に‘ヤンキー説’を打ち消そうとしている美咲さんが可愛く見えた。


俺の前でこんなに余裕のない美咲さんを見たのは初めてだったから。


少し場の雰囲気に慣れてきた俺は少しずつ饒舌になる。



「ヤンキーではなかったですね」


「だよね！よく言った！けーすけ、いい子！」


「ギャルでした」



この一言で、なぜか納得する一同。


なんでだろう？


意外じゃなかったのかな？