俺はICカードの定期券の中に幾らかお金が入っていたから、切符を買わずに改札にタッチして駅構内へと入っていった。


ホームにはちょうど電車が来ていた。


俺は小走りをして乗り込んだ。


その時、また携帯が震えた。


今度は短いから、きっとメール。



【駅、着いたら電話して!迎えに行くから】



そう彼女がメールをくれたときは、次の駅を電車が出発するときだった。


だから俺は【もう着くよ】とだけ返事をした。


カフェの名前教えてくれたら自分で行くのに。


…女の人ばっかりの中にふらっと入るのは気が引けるけど。


そういうのを見越して彼女は迎えに来てくれるのだろう。