美咲さんも、あの頃、面倒だったのかな？


なんだか急に不安になってきた。


居心地がいいと思ってたのは俺だけだったのか？


彼氏が居た時期は、少なくとも、そう思っててもおかしくはない。


俺は、携帯を取り出し、耳に当てた。


何度か繰り返されるコール音。


その後に、流れてくる声はきっと、彼女の声だと思っていた。


その期待は簡単に打ち砕かれた。



『留守番電話サービスに接続します』



そんな内容のアナウンス。


携帯の時計を見たら、まだ午後3時頃だった。


まぁ、大学だよな。


俺は、そんなことを思いながらたらたらと強い日差しの中、家に向かって歩いていた。