少しだけ重い扉を開けると、冷たい風がジリジリと日差しが突き刺さった肌にあたる。


ひんやりとした喫茶店の中にはカウンターで初老の男性がスポーツ新聞を読みながらコーヒーをすすっていた。


俺の存在に気付いた女性の店員が「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」と声をかけてくれた。


俺は大きな窓の近くにある席に腰を掛けた。


カバンをごそごそとしている時、先ほどの店員がお冷と冷たいおしぼりを俺の目の前に置いた。



「こちら、メニューです。決まりましたらお声をかけてください」



彼女はにっこりと微笑みメニューを置く。


参考書や筆記用具をテーブルに出し、広げ、俺はようやくメニューに目を通した。


俺は軽く手を上げ、店員を呼びアイスコーヒーを注文した。


店員がコースターを置きコトンと注文したアイスコーヒーとガムシロップを置いていった。


俺はガムシロップを1つコーヒーに入れてストローでぐるぐるとかき回し一口飲んだ。


ほのかに甘いコーヒーがなんだか落ち着いた。


高校生のバイト代にしては高価なコーヒーだけど、この場所はなんだか落ち着いて勉強が出来そうだ。


息詰まった時はここへ来よう。