そうと決まれば、髪を乾かしワックスで軽くセットをして歯を磨き、部屋に戻り洋服に着替えた。


服は簡単に黒のカットソーにライトブルーの少しクラッシュの入ったデニム。


靴は去年買った白のサンダルがあったからそれにしよう。


夏だからごてごてとアクセサリーをつけたりするのは好きじゃない。


俺はスクールバッグとは違うカバンに参考書たちを入れてリビングに居る母親に声をかけて家を出た。


勿論、携帯も忘れずに。



外はジリジリと日差しが肌に突き刺さるようだった。


さっき浴びた冷たいシャワーが何も意味をなしていないように感じた。


だけど、空は真っ白な雲と綺麗な青で、まるで絵みたいな空だった。


暑い気温は嫌だけど、この空は嫌いじゃない。


10分ほど歩くと駅前に出る。


そこの細い路地に入ったところが俺の目的地。


古びたというか、ノスタルジックな喫茶店と言うのがしっくりくる。