【つんちゃん、ぼく今日から夏休みでーす★】



俺はわけのわからないテンションで彼女に返事をした。


大学生はまだ夏休みじゃないのか。


こういう時に、俺と彼女の時間の流れ方が違うのかと実感する。


そして、すぐになる携帯。


今度は着信だった。



『おはよー』


「おはよう」


『何?あのテンション』



電話の向こうの彼女は笑っていた。


彼女の笑い声は心地がいい。



『今日から夏休みなの?もうそんな時期か~』


「つんちゃんは?学校?」


『試験期間中。試験とレポートが終われば夏休み』


「へぇ~」


『用事は特にはないんだけど』


「うん」


『今日、早く学校終わりそうだったから顔出しに行こうかなーって思ってメールしただけ』


「残念。夏休みでした」


『最近は?どう?大丈夫?』



急に心配そうな声になる彼女。


彼女が俺にそう尋ねると言う事は、やっぱりあまり密に連絡を取っていなかった証拠だ。



「まぁ、大丈夫だよ。志望校は絞りきれてないけど…」


『そっか。まぁ、なんかあったら電話でもしてよ。話聞くくらいはできるから』


「ありがと」


『あんまり頑張りすぎないでね』



彼女は、手短に話すと「じゃあね」と言って電話を切った。