きっと、ななの表情が変わったのは俺しか気づいていないようだった。


それからと言うものの話は、あの子の話題で持ちきりになってしまった。


はぐらかして、変な噂になるのも嫌だったからこれまでの経緯を話した。


たまたま廊下で数学の教師に教材運ばされているところにあって、教師から数学を教えてやってくれと頼まれて、そこから話すようになったと言う事を話した。


ただ、全て正直に話したところで、勘ぐるやつは居た。



「圭介はそう言ってるけど、あれは時間の問題だな」


「勇樹、しつけー…」



勇樹はこの前、俺に忠告をしてきた男。


いい奴なんだけど、基本的にズケズケ言ってくるから反感を買うこともたまにある。


俺もたまにムカつくことはある。


俺は、話を遮るように大きな声で「ただの先輩後輩です!以上!」そう言って無理やり話題を変えた。


もうすぐで夏休み。


太陽は傾いているけれど、外は暑い。


今日は風がないから尚更だった。


クラスメイトとバカみたいに騒ぐのも悪くない。