楽しい時間はあっという間に過ぎていき、フロントでお会計をして、みんなで駅へ向かう。


その時何気なく携帯を触っていたら、どうやらメールが来ていたようだ。


送信者はやっぱりあの子。



【今日は帰っちゃいましたか?】



そんなメールが来ていた。


もしかして待ってた?


まさかな。



「彼女?出来たん?」



俺の携帯を覗き見したのだろう。


俺は首を左右に振った。



「ただの後輩」


「え?けい、彼女出来たの?」



話をよく聞かないでななが聞き返してくる。



「だーかーらー、違うって。後輩ですよ。それ以上でもそれ以下でもないっす」


「その子『miko』って言うんだ?」


「送信者を勝手に見んなよなー」



その時、ななが大きな声で「え?」と驚きの表情を見せた。



「その子って、お前が最近ちょっかい出してる子?」


「人聞きの悪い言い方をすんな」


「え?実子って…」


「合唱部の、ちっこい子」


「…どんな繋がりよ?」



なながさっきと少し違う表情で俺に尋ねてきた。



「前、美咲さん来ただろ?1ヶ月くらい前。そんとき」


「へぇ~…」