階段を勢いよく駆け下り、夏休み直前なんて殆ど人のいない図書室へと駆け込んだ。


司書席から一番遠い辞典がたくさん並んでいる本棚。


一番端っこだから人目になんてつかない。


私は息を整えることも忘れ、そこにへたり込む。


その瞬間、涙が溢れてきた。


自分がどうして泣いているのかもわからなかった。


何が悲しいのか。


何が痛いのか。


この虚しさはなんなのか。


私はどの未来を進むべきなのか。


全てがわからなくなっていた。