午後の退屈な授業が終わり、諸々の掃除を終わらせ、あたしと花月は音楽室へ向かった。


今日は合唱部の練習の日だった。


部室に立ち寄って稽古着に着替える。


文化部といえども体育会系な部分もあった。


歌をうたうということは体を使う。


運動部さながらの筋トレがあるのだった。


今日は『練習日』という名の『筋トレ日』


この筋トレが厳しくて最初は10人いた新入生も、今ではあたしと花月の二人だけだった。


小さな小さな合唱部。


少ない人数なので先輩達とは仲がいいと思う。



あたし達が着替えていると3年生の先輩達が来た。



「あ、ごめんごめん。ノックすればよかったねー」



少しハスキーな声を持ったなな先輩が入ってきた。


なな先輩は花月に恋の話の続きをしているようだった。



「かづ、聞いてー!」



先輩は花月の肩を叩きながら、今日、‘圭介先輩’との出来事を言っていたようだった。


あたしは少し聞き耳を立ててしまった。


失礼だとは思いながらも…。


気になってしまった。