永遠の愛を誓うバラード。


別に告白なんかじゃない。


だけど、画面の歌詞を追う彼女の視線がなんだか嬉しかった。


もしかしたら、元彼のことを思い出してるのかもしれない。


それとも、この姉弟のような漠然とした愛情がずっと続けたいと思っているのかもしれない。


正直、少し複雑な心境だった。



前半を歌う終わった後のほんの少しの間奏。


俺と美咲さんはどちらともなく寄り添った。


彼女はもしかしたら羽を休めたいのかもしれない。


俺は彼女にとってそんな止まり木みたいな存在でもいいと思った。


甘え下手な彼女が、こんな俺に少し甘えてくれるのが嬉しい。



間奏が終わり再び口元にマイクを近づける。


甘い甘い歌詞。


彼女は優しい笑みを浮かべている。