美咲さんが在学中、きっと彼女に憧れる人は多かっただろう。


容易く想像が出来る。


あたしが男だったら憧れていたのだろう。


きっと。


言葉をかけられずに視線を送るのだろう。



【高嶺の花】



そんな言葉が邪魔をして、わずかな勇気を摘んでしまうのだろう。


…今と変わらない。


ただただ視線を送るだけ。


窓から渡り廊下を眺めるように、その時も見つめるだけなのだろう。