荷物を取りに戻って、それぞれの教室へと向かう。


私と翔は同じ授業だった。


その時翔の携帯も私の携帯も同じタイミングで震えた。



「マージか!」



翔が少しだけ大きな声を出した。


その理由は私の携帯にも表示されていた。



「休講だって。翔ちゃん」


「マジ落ちるわ」


「翔ちゃんは午前中からだったでしょ?私、この授業落とさないように来たのに…」


「どっか飯でも食いに行く?」



突然空いた90分の使い方にとても困ってしまう。


今はレポートが溜まっているわけでもない。


でも、然程お腹が空いているわけでもなかった。


だけど、今は何となく一人では居たくなかった。



「いいよ。行こう!」


「行くか」



私たちは大学の校門を出て最寄りの駅の方へ向かった。


その道のりは何を食べるか?とか煙草吸えるかな?とかそんな話しかしなかった。


正直、翔と居るのが大学では一番気が楽。


女の子の塊ってなんだか苦手なんだよね。


気も使わなきゃいけないといけないし。