授業まであと20分ある。


友達とのたまり場であるカフェテリアへと足を運ぶ。


そこへ足を踏み入れると見慣れた顔と、聞きなれた声が私の耳に入ってくる。



「つぐみだ！おはよー！」


「おはよう」



私はさっきまでの沈んだ想いを飛ばすかのように笑顔で挨拶をした。


仲良しの友達。


男女関係なく仲がいい。


居心地の良さは圭介に並ぶものがある。




「今日は午後から？」


「そうだよ～」


「そうだ、聞いてよ。こいつがね～」



カフェテリアでそれぞれの話に華を咲かせる。


ここの場所は禁煙だから、私は静かに席を立った。



「つぐみ？どこ行くの？」


「喫煙所。1本吸ってくる」


「あ、俺も行こうかな」


「じゃ、一緒に行こうよ。荷物おいていくね」



そう言って私と同じ喫煙者の翔は肩を並べて目的地を目指す。



「いやー、喫煙者は肩身が狭いですな」



煙草の煙を吐きながら翔が独り言のようにつぶやく。


私も火をつけて、煙を吐き出す。



「…そうだね～…」


「何？元気なさげ？」


「え？」


「いや？俺の気のせいなら、それまでだけど」


「気のせいですよ。お兄さん」



そう言って私は笑顔を見せた。