お互いに向かい合って、それぞれのお弁当をあける。


母親の愛情がつまったお弁当。


あたしの大好きな黄色い卵焼き。


それが入ってるだけで、凄くテンションが上がる。



「いただきます」



そう言って一口、卵焼きを放り込んだ。


余程、嬉しそうに見えたんだろう。


花月がにこにこしながら、



「好きだよね。卵焼き。それ食べてる実子見てると癒されるわぁ~」



大きくてくりくりした瞳を少し細くして、彼女は言った。


仕方ないじゃない。


大好きな少し甘めの卵焼きなんだもん。