さっき買った飲み物と家から持ってきたママお手製のお弁当を手に、あたし達は所属する合唱部の部室へと向かった。


合唱部の大半は女子なので、部室は綺麗に保たれている。


ホコリっぽさがない。


隣が音楽室だから先輩たちが部室にいたら、そっちで食べるのも悪くはない。


タンタンタンとリズミカルに階段をかけあがる。


教室から少し離れた場所に部室がある。



―キィ…



恐る恐る扉を開けて中を見る。


先約の人はいなかった。


あたしと花月は小さく「やった!」と呟き、上履きを脱ぎ中へ入った。


ようやく、ランチタイムの始まりだ。