一つ高い場所の玉座に座るのが…天使のトップのようだ。

整った顔立ち。
黒味のかかった紫色の髪にエメラルドの瞳を持っていた。

知性と教養に溢れた才気ある感じを醸し出す。

彼だけは全身黒の服。襟元と袖口の金の線は5本。
彼の胸元の飾りは宝石のような眩い光を放ち、目が離せなかった。

ケルブは玉座から降りて…

丹念に磨かれ光った黒のブーツの靴音を響かせて、俺の前に立った。


天使だと言うのに…皆…羽根がないーーー・・・



「俺は智天使・ケルブ…天使階級で言えば…第2位…そこに控えている熾天使セラフが元は第1位の天使…」



「俺は事情があって…使える力が弱い…だから…力の強いケルブが今はトップになっている」




「力?」




「…天使の階級は上級・中級・下級と分かれている…翼があるのは下級天使のみ、俺たちは羽根を持たない代わりに…神々様と同じ…力を持っている…それが創造神様の天(アマ)なる力と冥府神様の魔の力だ」