門川君たちが座っている方向に、あたしは駆け出した。

「門川君っ!」

「・・・・・」

「門川君、助けて!」


門川君は微動だにしない。

表情ひとつ変えない。

座ったまま、じっとあたしを見つめている。



あんたが呼び出した鬼でしょ!? なんとかしなさいよ!

そう叫ぼうとした時・・・

空気の流れを感じた。


いつの間にか、すぐ背後に鬼が迫っていた。

頭上に振り上がる風。

刃物のような爪が、あたしに真っ直ぐ振り下ろされて・・・。