猫はひとりでウンウン納得してるけど。

あたしは全然わかんない。

じゅって、なに?

このメモ用紙がどうかしたって??


「この紙、普通のホームセンターとかで売ってるメモ用紙だけど?」

「名は?」

「え? えーっと、『めもりーな ミニサイズ』・・・」

「紙の商品名ではない。祖父の名は?」

「あたしのじー様の名前?」


なんで猫がじー様の名前なんて知りたがるの?

まあ、いいか。

どうせあたしの幻覚だし。

幻覚に理屈を求めたところで意味ないしね。


「天内 直 (あまない なお)」


あたしはじー様の名前を告げた。


すると猫の金色の両目が大きく開いた。

ぴくんっと全身を固まらせたまま、しばらく動きが止まって・・・


やがて猫は、ククク・・・っと忍び笑いをし始めた。


「・・・なによ? どうしたの?」

「小娘、お前、ナオの孫か?」

「そう、だけど?」

「ククク・・・」


猫は、さもおかしそうに下を向きながら笑っている。


な、なによ。なにがおかしいのっ?