「小娘、その紙はなんじゃ?」


紙? あぁ・・・。

あたしは、手に握り締めたままのメモ用紙を見た。


「これ? あたしのじー様がここの住所を書いた紙だけど」

「我に見せてみよ」

「・・・どーぞ」


あたしが差し出した紙に猫が鼻先を近づける。

そして頷いた。


「なるほど。この紙と文字に呪がかけられていたか」

「じゅ?」

「それで扉が開いたな」

「?」

「お前の祖父なる者が呪をかけたか・・・」