破裂しそうに早鐘を打つ心臓。

その心臓から血液が、手足の末端まで駆け巡る。

熱い血が。


呼吸さえもままならないほど、血が、鼓動があたしを翻弄する。



灼熱の血。

燃え上がる体。



熱い


熱い、熱い、熱い。





『良く見てごらん。内側まで』


記憶の声が、頭の中に甦る。



あたしは、鬼を見た。