鬼の口が、かぱぁ・・・と開いた。

そして、がくんっと顎が外れる。


獲物を丸呑みにするヘビのような口。


巨大な口腔から覗く牙。

だらぁっと垂れ落ちるよだれ。


ひとつ目が、あたしを捕らえた。


声にならない悲鳴を心の中で絶叫する。



さっきまでの汗が一瞬で全て冷えた。

心臓が破裂しそうに波打ち、全身に熱い血を送り出す。

バクン バクン バクン!


冷えているのに、熱い。

不思議な感覚。