"私"は駆け出し
その場から逃げた。



私は立ち尽くしたまま
走って小さくなる"私"の背中を眺めていた。


そして爽汰と愛を
見て叫んだ。



-爽汰っ!爽汰っ、爽汰ぁ…-



どれだけ叫んだって
名前を呼んだって




爽汰は気づかない。




爽汰は何も気づいてくれない。
私の声なんか…届くはずないのよ…






-…大嫌い……-


私はつぶやくと
涙をこぼした。