車がスタジオへと
走り出した。
「彩ちゃん…」
「どうしたの?」
ポツリと口から
零れた言葉は言った私でも驚いた。
「…彼氏が、自分の親友とキスしたら
それは、浮気になるの?」
あの日の爽汰と愛が蘇る。
lightに反射して見えたのは
愛の涙だった。
「彼氏のことが好きなほど、
キスされたことによって不安になる。
信じたくても浮気だと思うのは好きだからでしょ?」
ああ、そうか…
私は爽汰が大好きで、
不安になりすぎて
爽汰に説得されても
信じられなかったんだ。
「…でも、親友ゎ彼氏のことが好きなの」
「遠慮するなんて、らしくないわ。ほら、着いたから」
私は頷くと車のドアを開けた。