携帯をポケットに入れると
席をたった。
「先生、トイレに行ってきます。」
「わかったわ。」
私は教室を出ると
ポケットから携帯をだした。
「もしもし。」
「瞳?今日学校なのにゴメンなさいね?
今から学校の前に向かうから。」
「はい。わかりました」
電話を切ると、教室に戻った。
―――ガラッ―――
「先生、今日は早退します。」
「そう?また補習授業するわね」
と先生は笑顔で言った。
「……あ、はい。」
苦笑いで言葉を返した。
鞄を机の横からとると、
由佳が小声で「頑張って」とつぶやいた。
頷くと小さく手を振った。
ツインテールをほどいて
早足で校門に向かった。