「何があったの?」 風に乗って、シャンプーかなにかの甘い香りがした。 「レギュラーに、選ばれなかった」 他の人から聞いたら、くだらないかもしれない。 だけど、 「目指してた。団体戦で、全国の舞台に立ちたかった。」 うん、と柔らかい相づちが聞こえた。 その柔らかさと優しさで強張っていた肩から力が抜けた。 「…頑張ってたんだ」