「昨日からいない。親どっちも会社で旅行だから」 あたしはもうすでに知っていることだった。 両親は同じ会社に勤めているらしい。 「…お姉さんは?」 「あれはもともと、独り暮らしだから」 そう言うと芹菜はキラーンと目を輝かせた。 「雪乃、泊まったでしょう」 うっ、と声をつまらせる。 和樹をチラッと見るが楽しそうに笑うだけ。