「桜田もこれだけ好かれてるんだから、応えないとねぇ…」


芹菜が呆れたようにぼやく。


「…無理だよ。桜田はテニスが好きだから」


むしろ付き合えたことが奇跡かも。



「…雪乃」



芹菜が急にあたしの肩を叩いて方向転換しようとした。



――――急になに…?



そう思った瞬間、視線の先でちらついた影。


「え…?」