どうせなら笑えばいいのに。


若干ふてくされ、俺はとりあえず智の頭を叩いた。


「いてぇな!なんで俺だけ」

「お前だけに決まってるだろうが、馬鹿」


杉宮と玉川さんを叩けるわけないだろ。



「男女平等」

「……」


うるさい奴だ。



「智はあたしが殴られてもいいんだ?」



玉川さんが静かに言った。

智の顔からサーと血の気が引いていく。