「気休めだけど…」


そう言い、桜田はあたしの耳元に口を寄せた。


吐息がかかりゾクッとする。

そして、耳の裏に柔らかいものが押し付けられ――ピリッとした痛みが走る。


「ッ」


それが唇で、吸われたことはすぐにわかった。

桜田は次にあたしの唇にキスをした。



「嫌だったらごめん」



何が嫌なの――…?


「嫌じゃないよ?」