「……っ…」
「アリスにそんな顔させたくなかったから、早くアリスがここを嫌いになって、王子から離れたくなるようにしたの……」
「……ごめん」
「ごめんね……」
“あたしのために、ごめんね”
そう返したかったのに、嗚咽が邪魔で声にならない。
いつの間にか好きになってたの。
『アリス!!』
そうあたしを呼ぶルイが。
『ちっ……』
すぐに舌打ちしちゃうルイが。
『なんだ、ちゃんと分かってんじゃねぇか』
あたしのことを、何でも分かっちゃうルイが。
「ほんとに…っ……好き……だった……」
今も好き。
過去形にしたのは、早くルイを過去にしたいから。
これは叶っても叶わない恋だから。