電車に揺られ、家をめざす。
何百回と見てきた景色だけど、毎日表情を変える空に飽きを覚えることはない。
こんなとき、地下鉄ではなくてよかったと思う。

高2になり、1学期も終わりにさしかかる。


私、高郷愛那は、この春
地元の評判があまりよくない翠川高校に入学した。

不良の集まりときいていたが、
入ってみるとそんなことはなく
手が付けられないほどの不良はほんの少し。


髪が金髪だったり、ピアスの数がすごいことになっていたり
見た目の評価が悪いだけで
性格や友達を大切に思う心は、
そこら辺の頭のいい有名高校の奴らになんて絶対負けてない。