「…う~ん………。は………、ハクション!!」
寒さの余り……
私は、目を覚ました。
「…………?」
辺りはまだ薄暗い。
寝ぼけた目を擦って……
手探りで、毛布を探す。
スースーする体……。
「…………ん?!」
ガバッと跳ね起き……
自分の置かれた状況に、今頃気づく。
一糸まとわぬ上半身……。
私は…
恐る恐る、目線を移す。
「……博信……?」
毛布を独り占めし、心地良さそうに寝息をたてている……
博信。
どうやら……
どうやら………
…そういうことに…
なったらしい。
「……なんてこと……!」
まさか自分が、こんな大胆なことをするなんて…!
それでも………
彼の愛情深さを感じることで……
何かが満たされていくようだった。
軽率な行動だった?
それとも……
本能?
着替えながら……
戸惑いと、言いようのない複雑な思いとが…
襲ってきた。
私は…
鏡に、自分の姿を移す。
幸せそうな…顔してる?
「……わこ…?」
気づけば鏡越しに……
私に視線を送っている博信。
「…おは…、おはよう。」
驚いて…
吃ってしまう。
「…まだ暗いな。…何時?」
「…えっと…」
壁掛け時計は……
4時10分をさした所だった。
「…4時過ぎ。」
博信に視線を合わせることなく、答えた。
「……まだ早いな。…わこもまだ寝たら?」