毎日隣りの部屋を見ていたからわかる。



久しぶりに家に帰って来たんだ、それって相当疲れてるってことじゃ……?




起こすのが…
かわいそうな気がした。



でも……
明日、仕事が早いってこともありえる。



でもでも……



もう少し、この寝顔を見ていたいような……?




よくわからない葛藤をした後……


「よし、30分だけ……。」



30分後には起こすことを決意し、私はタオルケットを彼に被せた。




「……お。サスペンス久々。」



晴海くんの隣りに座り、サスペンスを見始めてすこしすると……


次第に睡魔が襲ってきた。



多忙を極める平日の夜。


寝ないでいる方が無理だったと言うべきか……




テレビからながれる短調な曲が、私を夢の世界へと…いざなう。













ピンポーン………





「…………。」



何か……聞こえる……?



ピーンポーン……




……うるさいなぁ…。





♪~♪♪♪~……



ん?聞き覚えのある歌……。



♪♪♪♪~♪……


「………電話ッ!!」




私はハッと…目を覚ました。




「……ん?」



身体にかかったタオルケット。


すぐ横に………



晴海くんのどアップ!!




「………お…?」



状況を把握するのに……



時間がかかった。




そうか、私……
寝ちゃってたんだ。




♪♪♪~……



「……!電話っ。」



鳴りやまぬ着信音。



大いに急いで、電話に出た。




「…も、もしもし?」



『もしもし。』




この声………




「……!博信?」



私はソファーを飛び降りた。