近所のネオンの中を…



私達二人は、肩を並べて歩いた。




「お腹一杯!でも…、おいしかった。」



「…病み付きになりそうだろ?」



「ん。通っちゃうかも。」



「じゃーまた食いにいこ。」



「……うん!」




…不思議なことに……




さっきまでの蟠りは、まるでなかったかのようだった。





「やっぱコーヒー飲みてーな。」




前を見つめたまま、晴海くんがぽつりと呟く。




「……うん。」




私も…



前を見たまま答える。




「…誰かさん家で。」





「………。いーよー……。」









人は……



自分の気持ちに真っ直ぐに……


気の赴くままにいられるのならば、


どんなに楽しいのだろう。










もしこれが、博信に対する裏切りだというのなら……


私はこれからもいともたやすく罪を犯し、罪悪感を積み重ねていくことであろう。







それだけ……




君は空気のような存在だと思った。







許されることなんじゃないかって……





勘違いをしていたんだ。