「じゃあさ、大貴は何で彼女作るの?」

「楽しいじゃん。毎日がさ…キラキラするぜ。」

「キラキラねぇ…」

「おうっ。」

メルヘンな奴。

「なぁ、神田涼介って誰?」

「えっ!!知らねーのっ!?女子の憧れの的、涼介くんじゃん。金持ちで…顔もよくて…優しい…って感じ。」

「へぇ…」

「何で?」

「んーん…何もない。」

「トイレ行ってくるわ。」

「んー…」

はぁ…疲れた。


涼介くん、か。

「や、山中くんっ!!」

「ん?」

「の、ノート…」

一冊のノートを渡された。

「返さなくていいから…っ。」

俺のこと好きなのかな。照れてたし、って自意識過剰か…。


「山中、」

「はい。」

うわ、担任だ。

「お前の作文、全国に出すことになったから。」

「はぁ。」

「あー…それから、この前のテスト1位おめでとう。」

「そうですか。」

そんなの取っても意味ない。

「次も頑張れよっ!!」

「はい。」