「宮森さんってさ、モテてるよね。」

いきなり言われてまた顔が真っ赤だ。

「そんなことないよ!!」

「いや、普通に可愛いし、勉強できるし…。」

「……っ。」

あ、俯いた。

「コウくん…好きな人…は?」

「居ないよ、てかいるわけない。」

「だよ、ね…。」

作ってもどう愛したらいいのか分からない。

「私と付き合って…」

「それは…んっ!!」

キスっ………!?

「愛されなくていい、傍に居たい。」

「でも…」

仕事とか、嫌じゃないのかよ。本気かよ…。


「仕事も…続けて?」

「は…?」

「傍に居たいの…。」

好きでも何でもない。けど、俺は何だか楽しみにしていた。

「分かった。付き合おう。」

「1つだけ…お願いが…あるの。」

「ん?」

「名前で…呼んで。」

「これからよろしく、あかね。」

抱き締めると肩に冷たいものが落ちてきた。

星よりも輝いて見えたこの女と付き合うことになるなんて。