夕日が射し込むなか、
俺と宮森さんは二人で教室にいた。
先に喋りだしたのは宮森さんだった。
「あの、私…」
「………」
「山中くんが…好きなの。」
本気の恋なんてくだらない。
「ありがとう。で、付き合いたいの?」
「う、うん…」
顔が真っ赤だ。
「ごめん。」
「そ…っか…」
「ありがとう。」
「理由は?」
「………言えない。」
何でもいーじゃん。
「嫌、教えて。」
いつもはふわふわした感じだけど、凛としていた。
「後悔しないなら。」
「しない。」
「あー…あと、これは秘密。」
「分かった。」
知らない方が幸せだ。
俺はこの仕事があるから生きている、不幸だなんて思わない。
だが、普通の高校生は知らない方がいいに決まってる。
ましてや、好きな人がしているなんて…な。