「コウくんっ!!」


「麗奈さん久しぶり。」

山中コウ。
中学三年生から続けて一年、
この仕事は自分に合ってると思う。

「今日はね、ホテル予約取ったの。お昼まだでしょ?」

「うん。」

「よかった、あそこのホテル凄く美味しいの!!コウくんに食べてもらいたくって…」

「楽しみだな。」

俺が微笑むと彼女も微笑んだ。
他人からみたら恋人に見えるんだろうか。





数十分歩くといかにも高級そうなホテルに着いた。

「ご予約さまですか?」

「姫川麗奈。ランチをいただける?」

「姫川様、いつもありがとうございます。どうぞ、こちらへ…」

さすが、旦那がホテル経営者だけあって顔が知られてるのか…



「何を召し上がりますか?」

「コウくん、なにがいい?」

「んー…麗奈さんがオススメするのがいいな。」

「じゃ、いつものフルコースで。」

「ありがとうございます。」

邪魔が居なくなったところで、今回は何があったのか聞くか。

「麗奈さん、何かあったの?」

「あら、鋭いわね。」

「俺を呼ぶときはいつも何かある。」

「旦那が…最近してくれないの。」

浮気じゃねーの?