突然、水ノ江の里が、敵襲を受けたという知らせがもたらされたのは、長たちがイスルギの館で酔いつぶれ、床にもぐりこうとしている明け方だった。

「兵二百が一夜で降伏だと?」

 叩き起こされたフナジは、寝ぼけ眼のまま寝床からまろびでた。

「いったい何があったのだ。つ、つまびらかに話せ」

 知らせをもってきた兵士の話はこうだった。